尿等畜産汚水について適正に処理しましょう

Q7  畜産汚水を処理する方法を検討したいのですが?
A7  地域における気温や降水量等の自然条件、環境規制等の社会的条件、畜産汚水の発生量、農用地の保有状況、 処理労働時間、コスト等の条件を踏まえ、適切な畜産汚水処理施設を整備することが必要です。

尿汚水(畜産汚水)処理施設
分類適用
規模
処理
目標
BOD
除去率(%)
面積維持管理施設費
技術経費
活性汚泥法連続式小〜大放流90〜95
回分式酸化溝など小〜中放流90〜95
ラグーン法など小〜大放流90〜95
生物膜法接触酸化法など小〜大放流80〜90
肥料利用簡易曝気法など施肥
注:  簡易曝気法は維持管理、施設費等が小さくてすみますが、十分な農用地を確保しないと過剰施肥や素堀りになる可能性があります。

平成2−3年度に日本畜産施設機械協会が調査した実態調査によると、汚水処理の所要経費は次のとおりです。 肥育豚換算1頭当たりで施設費は13,500円/頭、維持管理費は1,260円/頭・年の付近に多くの事例が分布しているとのことです。

【オキシデーション・デッチ型回分式活性汚泥法畜産汚水処理施設】
 昭和46年に神奈川県畜産試験場で、「オキシデーション・デッチ処理」と呼ばれる畜産汚水専門の処理施設が開発されました。
 「オキシデーション・デッチ処理」とは、名称の由来は、普通の活性汚泥法が角形の曝気槽を使うのに対し、オキシデーション・デッチと呼ばれる酸化溝(競技場のトラック形の循環水路)型の曝気槽を使用していることによるものです。
 この方式は、畜産農家がいつまでも使用可能なように、維持管理が簡単で、経費がかからないように工夫された活性汚泥法汚水処理施設です。高性能、コンパクトであるよりもシンプルな構造、簡単な維持管理、低ランニングコスト、耐久性を大切にしたものです。 構造は投入槽、トラック型の曝気槽(酸化溝、オキシデーション・デッチ)、希釈水槽、消毒槽、汚泥濾床からなり、曝気槽では汚水の投入、曝気、沈殿、排出が一日工程(回分式)で自動的に行われます。

オキシデーションデッチ型回分式汚泥法汚水処理施設の特徴
(実証展示場所)長崎県畜産試験場(TEL 0957-68-1135)

畜産試験場の汚水処理施設のレイアウト

曝気槽の形状・容積
オキシデーションデッチ(酸化溝)型は曝気と撹拌を兼ねる表面機械曝気装置でトラック型の水路内を循環させるため、抵抗が少なく、同一容積の曝気槽と比べると所用馬力が半分以下ですむ。低負荷運転のため曝気槽が大きくなり、設置面積は広くなるが、大容量の曝気槽で汚水の量や性状、水温の変動に余裕を持って対応でき、維持管理が容易になる。
曝気方法
一般的な汚水処理施設で用いられる散気式曝気法は、散気管の微細な穴の目詰まりで曝気量が減少し、気づかない内に処理能力が低下することがある。本技術ではスクリュー型の機械曝気装置の採用により曝気量を一定に保つことが可能で、処理能力は長期間維持できる。
余剰汚泥対策
高負荷で運転する連続式活性汚泥法は高濃度汚水の処理が可能であるが、汚泥の管理が難しく、専門の知識が必要となる。また凝集剤や汚泥脱水機が必要となるため、畜産農家ではランニングコストが大きな負担となり、普及が進まない一つの原因になっている。本技術では曝気槽の容量が大きく、汚水を低濃度に希釈するため、余剰汚泥の発生も少なく、砂濾床により2週間に1回程度の処理で対応が可能である。
回分式運転
回分式運転では曝気槽で汚泥の沈殿ができるため構造が簡単になり、また連続式では必要となる最終沈殿槽からの汚泥返送も不必要である。
土木工事主体の施設
本技術はコンクリート槽が主体の施設で、保守管理が極力不要な機械類を使用するため、長期間にわたり利用が可能である。



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