6.離乳後の子牛の飼養と管理


(1)離乳
 子牛をいつまでも母牛に付けておくと母牛の体力が消耗するだけでなく、 完全な離乳ができていない子牛は固形飼料の採食能力が低く、また、子牛市場では落ち着きがなく、 頻繁に鳴くため購買者に敬遠され、市場の評価を低下させる原因となります。
 離乳する前に、子牛が別飼い飼料としての濃厚飼料や粗飼料を十分食べれるように慣らし、 生後5〜6カ月齢には確実に離乳します。
 急な離乳は鳴き合いなどストレスの原因となります。子牛は、離乳前に哺乳回数を1日、 1〜2回に制限し、母牛は、離乳する1週間前から濃厚飼料給与を止め、多汁質飼料の給与を控え 乳の出が少なくなるように馴致します。また、互いが見えないように離れた場所で飼う工夫をします。


(2)離乳後の飼料給与量(図5−3)
 配合飼料は哺乳期に引続き体重の1.0〜1.3%に制限します。
乾草の採食量は離乳後に大幅に増加するので不足のないように給与します。


(3)飼養管理のポイント

図6−1.生後9カ月齢時の
枝肉重量に対する割合(去勢牛)
(田崎ら 1985)
1)  この時期は胃の発育と共に筋肉や骨の発育が旺盛な時であり、良質粗飼料を十分に給与し、 これらの発達を更に促すように努めます。
2)  濃厚飼料は多給すると体重は増加するが、骨の成長はむしろ抑制されることになるので 必要以上に給与しないこと(表6−1、図6−1)。(肥育牛では、子牛育成期間中粗飼料を 多給すると肥育後期まで飼料効率が良く、逆に濃厚飼料を多給すると肥育後半の増体量が著しく 低下するといわれています。)
3) 体重・体高測定哺育子牛の項と同様。
注:試験区は生後4〜9カ月の間濃厚飼料を体重の1%(但し、2kg上限)
   慣行区は市場購入牛

表6−1.育成期の成長速度と体構成(雌牛)
 一日当たり増体量(kg/日)
0.40.60.8
体重(kg)360360360
体高(cm)117117116
十字部高(cm)118119117
胸囲(cm)169171172
胸幅(cm)41.441.544.2
胸深(cm)59.860.059.7
尻長(cm)44.445.144.7
腰角幅(cm)44.142.242.6
坐骨幅(cm)27.325.725.3


筋肉(%)585650
骨 (%)141413
脂肪(%)283036

長1)
筋肉182182173
160163163
脂肪203226286


成2)

大腿骨121123119
腰骨121122116
中足骨123113104
骨盤長140138133
骨盤幅146140135
(寺田隆慶、日本の肉牛(1981)より引用した。)
1)、2)6カ月齢の測定値を100とした指数



(4)出荷時期の目標
 雌子牛は9カ月齢(体重230〜240kg)、去勢子牛は8カ月齢(体重240〜250kg)が目標です。
 全国的に出荷日齢は早まる傾向にあり、先進県では7カ月齢出荷の事例もみられます。 出荷月齢を早めることは、生産コストの低減につながります。また、過度の濃厚飼料の給与は、 骨格形成を抑制し過肥となり、肥育段階での飼い直しを余儀なくされ、牛肉生産のコストを 引き上げる要因となっています。
 今後、産地間競争に打ち勝ち、儲かる子牛生産のためには、良質粗飼料を十分給与し、 骨格および胃袋の丈夫な、適正発育の子牛出荷に努めることが大切です。