1.子牛生産のために必要な施設


(1)分娩室(図1−1)
 外の牛と隔離することで牛房の汚染が極力防止でき清潔さが保たれやすく、 分娩時の管理が容易となります。
 広さは2.7m×3m程度。利用前には清掃・消毒しておきます。
図1−1 牛舎のモデル施設(成牛15頭規模、畜産試験場展示)


(2)子牛別飼い室(図1−2)
 母牛室の隣に子牛だけが出入りできるような柵を設け、飼槽と給水施設を用意します。 これによって子牛の別飼い飼料の給与、給水が簡単に行うことができます。
 広さの目安は1〜1.5m2/頭。収容頭数に応じた飼槽の幅が必要です。
 哺育中の子牛でも給水は不可欠であり、哺乳以外に固形飼料の摂取量は1kg当たり 0.7〜1.1Lの給水を行う必要があります。なお、離乳後は飼料摂取量1kg当たりの 飲水量は3.0〜3.6Lと多くなります(表1−1)。
 また、この時期は下痢にかかりやすい時期でもあり、子牛の休息場所として敷料を こまめに換え、清潔さを保つことによって下痢等の疾病予防にも役立ちます。また、 冬季は保温にも留意します。
図1−2子牛別飼室略図(6頭規模9m2)


表1−1.子牛1 日当たりの必要給水量(試算)
月齢哺乳中離乳後
1〜23〜45〜67〜8
 配合飼料及び(kg)
 乾草摂取量
0.82.24.46.3
給水量(L)0.6〜0.91.4〜2.22.9〜4.818.7〜22.7
(日本飼養標準1987より作成)


(3)離乳子牛室
 離乳後の適正な飼料給与管理のために是非必要な施設です。
 広さの目安は3〜3.5m2/頭。子牛頭数が多い場合、雌雄別、 体重、月齢別に数グループに分けるなどして飼料摂取量が偏らないよう工夫することが大切です。


(4)運動場(パドック)
 健康な子牛作りのためには運動、日光浴は必須の条件です。
 広さは繁殖牛10頭規模で最低5.1m2/頭、30頭規模で 4.1m2/頭。また、排水および通風良好な場所を選定します。


(5)牛舎等の衛生対策(表1−2)
 子牛の下痢等疾病を予防するために牛舎等の衛生管理を積極的に実施することが大切です。
 特に、牛舎内の糞は毎日堆肥舎へ運び出すことが基本です。なお、堆肥舎は牛舎と隔離し、屋根付とします。
 消毒の前には必ず動力噴霧器等を利用して水洗し、十分に乾燥した後に消毒薬を散布します。

表1−2.哺育・育成期の衛生管理プログラムの一例




牛舎定期的に清掃・乾燥・消毒する。最低月に1回
ボロ出しの励行1日1回
運動場消石灰または生石灰による消毒を定期的にする。年2回以上
衛生害虫殺虫剤の牛舎・牛体噴霧、堆肥への散布 
換気夏季・舎飼期での通風をよくする。 
(農林水産省畜産局衛生課:「乳用雄子牛損耗防止マニュアル」一部修正)


消毒薬の種類・特性と使用法
種  類特性使用対象使用濃度
芽胞有機物
の影響
牛舎踏込槽牛体手指飲水運動場
堆肥
哺乳用
器具
さらし粉有効+++    20倍水溶液か
粉末のまま
逆性石けん無効+++  100〜1,000倍
クレゾール石けん無効±    20〜50倍
生(消)石灰無効      粉末か2倍
注)
・消毒薬は一般に蛋白質などの有機物に弱く、被消毒物中に有機物が多量含まれていると効力が減少する。
・+++有機物の影響をかなり受ける。++影響を受ける。+やや受ける。±ほとんど受けない。
−影響を受けない。
◎使用対象に最適  ○適の消毒薬
(農林水産省畜産局衛生課:肉用牛生産率 向上衛生マニュアル)